私たちを取り巻くデジタル環境の進化のスピードは凄まじく、そんな速い進化に人間自身が体験した事がなく、戸惑っているしついていけないと感じているのだ、という事だそう。私のパソコンやスマートフォンにもAIは搭載されていて、メールや書類を要約してくれようとするが使った事はまだ無い。自分で考えたり工夫したりすることから遠ざかっていくようで抵抗がある。
こんなに便利になってくると話題になるのが、AIがやってくれるので無くなっていくであろう人間の仕事は何かである。その問いに対して、看護師の仕事はAIは代わることはできない、と多くの方が答えるそうだ。患者一人づつの毎日の様子を観察して、その変化に繊細に対応することはAIにはできない。
どなたもご存知のように、AI自身は身体を持たず経験するということができないので、言葉に重みがない。私たちの中には言葉にならない感覚を言語化しようとする試みがあったり、個人的な体験というものがあるが、AIというのは普遍的で個別性がないと言える。
AIの進化によって、良きこと悪しきことの多くが語られているが、人間とは何か?人間がやることは何か?を考えることにつながっていくのでは、と思う。最近のニュースでいくつかの国では授業でのタブレット使用を禁止・廃止が決定した。理由として、学力低下・集中力や想像力の欠如が挙げられるという。この決定に続く国や教育機関は多いのではないか、と想像する。イギリスでは集中できない子供たちが多いので、休み時間に校庭を走るようにしているそうだ。成果は上がっていて、成績が上がった子供もいるということだ。
オイリュトミーの体験は自ら動くことが大切で、思考・感情・意志の3つが協働する。子供も大人も幅広い年齢で体験することができる。身体という自然とより結びついていくことを可能にしてくれる、という点では、このデジタル化がすごいスピードで進んでいく時代に、多くの人にオイリュトミーを体験してもらいたいと思っている。

岩橋裕子
プロフィール
英国ペレドュアオイリュトミー学校卒業後、エマーソンカレッジで教育オイリュトミーを学ぶ。
その後、舞台グループに所属して、公演活動を行う。
帰国後、オイリュトミストとして教育現場で働くが、必要性を感じオイリュトミー療法を英国で学ぶ。ディプロマ取得後、オイリュトミー療法士としてクリニックなどで働いている。