【2025年夏 医学セミナー報告】Dr.エーリッヒ・スカーラ 内臓の考察‐ミクロコスモスにおける惑星の諸力‐

8月15日〜17日の3日間、オイリュトミー療法士養成コースと医師会の共催で、医学講座が開かれました。講師のDr.エーリッヒ・スカーラは、医師としてさまざまな診療科に学ぶ中、35歳でアントロポゾフィー医学と出会ったそうです。スイス、リヒテスヴィルのアントロポゾフィークリニックで院長を務められ、定年後シュタイナー学校の校医を務めるため、さらに小児科学を学ばれました。
現在はフライブルグで開業されています。オイリュトミー療法をはじめ、音楽療法、歌唱療法の養成コース、セミナーで医学を担当されています。

3日間を通して、マクロコスモスとしての黄道十二宮と、地球を取り巻く惑星の力が、ミクロコスモスとしての人間にいかに働きかけるかが、螺旋を描くように語られました。


神経学として、脳梗塞やパーキンソン病についても学びました。これらの疾患がどのように十二感覚と関わるか、そしてそれらがいかに黄道十二宮と関わるか。二日目、三日目は腎臓や肝臓についてのお話でした。地上に生を受けた人間の一生が、人間の四分節が、惑星の力と繋がり、宇宙ロケットの軌道が腎臓の糸球体とつながり、太陽が一年をかけて空をレムニスカートで動いていくようにお話が巡っていきました


黒板には色チョークで美しい図が描かれました。上の図は、初日は黒板の真ん中に、黄色の星が一つ描かれていただけでしたが、3日間をかけて、この世に立つ人間一生の姿になりました。
資料はOHPによって提示されました。このお話の題材を提示するのに、闇の光であるLEDは相応しくないというお考えからです。惑星や黄道十二宮の諸力がいかに言葉に力をもたらすかという視点からも、一つひとつの言葉が選ばれていました。
3日間を通して最も印象に残った言葉は、「動きは音楽である。音楽の余韻を聴くように動きの余韻を聴くことができる。自らが私の身体を統べる自我に導かれた母音の動きは、熱の力に働きかける。熱の力は人間に変容を、調和をもたらす。」でした。先生のオイリュトミー療法への、深い理解と愛情を感じられた瞬間でした。
アントロポゾフィー医学が始まった経緯、R.シュタイナーがどのように人間を、世界を見ていたのかまさに全てが原点に回帰するお話でした。


竹荒郁美

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