国際会議に参加して

《言葉の人間形成力》

 2022年4月18日〜22日に、ドルナッハ、ゲーテアヌムにてオイリュトミー 、オイリュトミー 療法、言語造形の国際会議が行われた。コロナ禍、ゲーテアヌムも例外ではなく、長いこと扉が閉ざされていた。スイスでは、4月1日より全国的な感染症対策が撤廃され、約2年間続いた特別事態宣言も解除された。ようやく集うことのできた人々の表情は晴れやかだった。

 国際会議の前半2日間は、オンラインで行われた。19日夕方の舞台公演から、会場での開催となった。4夜の舞台公演では、スイス、ドイツ近郊からの参加者のほか、ウクライナとロシアからのグループも同じ舞台で公演できたことは感慨深いものであった。ケープタウンの舞台グループの気迫、サンフランシスコの高校生たちの瑞々しい演目に、オイリュトミー の素晴らしさを再確認した。ドイツの舞台グループには、若い日本人、日系のオイリュトミストたちの姿もあった。朝の時間は22会場に分散してのワークショップ、その後は大ホールで講演とデモンストレーション、午後はおよそ30の分科会が行われた。

 朝のワークショップの一つでは、「学校でのオイリュトミー療法」をテーマに、ミュンヘン近郊で働くオイリュトミー療法士たちが1日ごと、日頃の実践を参加者と共有した。

 4月22日は当協会準会員の吉田恵美さんが、コロナ禍での不調を抱える子どもたちへの練習を行った。ロックダウンの閉塞感、家庭環境の劣化、感染への恐れなど、ストレスを抱える子どもたちは多い。不安でいっぱいの子どもたちに、オイリュトミー療法が働きかける。動きの練習を通して、子どもたちは体の感覚と落ち着きを、少しずつ取り戻す。自ら動くことで獲得した感覚は、子どもたちの自信になっていく。

笑顔あふれる楽しい練習に、毎朝あっという間の90分が過ぎた。久々に複数のオイリュトミストたちと練習を共に行う、幸せな3日間であった。

文責:竹荒郁美

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